下りエスカレーター

私は昔から変化を嫌わない人物だったはずだった。

中学から高校に進んだ時のあのわくわく感は今でもはっきりと覚えている。

正直言って中学だって大好きだった。

でも高校になぜかきらきら光るような輝きがあると信じていた。

 

なのに大学に進んだ今、この変化を恐れている私がいる。

環境が変わるのが怖すぎる。

場所は変わっているのに考え方とか気持ちは高校のときのまま、別につまんないわけじゃないんだけど。

未だに高校の同じ部活の仲間と一緒にいたいし時間を過ごしたい、遊びたい。

高校で恋した人を思い続けているし。

高校の失敗を引きずっているし。

自分自身変わっていない。

 

周りの環境はめまぐるしく変わっていて、すべてが本当に不安。

 

残りの人生すべて高校で費やしていいんじゃないかと思う。

 

就職でまた環境が変わるのは怖いし。

これからまだまだ変わることだらけ。

変化は避けられない。

 

なのにそれを怖がる自分。

なさけない。

かわりたい。

だけどやっぱ高校が大好き。

みんなの笑顔とか。

懐かしい思い出とか。

高ぶる感情とか。

談笑した時間とか。

 

 

 

 

 

かけがえのないもの。

 

それと変化を嫌うのは違うってわかってるけど。

やっぱりこわいな。

精神は高校生のまま。

中身は変わらない。

 

 

 

なんか人脈もこれ以上いらないんじゃないかと思ってしまう。

 

 

高校では嫌だと思うこともあったけど、得られたものが大きすぎて比にならない。

 

一つ一つが大きすぎる。

仲間も思い出も大切な宝物。

宝物って言うともう終わったものっぽい。

宝物というかまだ今の話のような気がする。

 

この気持ちは何なんだろう。

 

 

みんなほんとに好き。

 

 

いい加減にしなよ自分。

 

時の流れには逆らえないし、思い通りにならないこと、諦めなきゃいけないことだってあるよ。

 

 

 

自分から気持ちを変えないと。

 

それでもやっぱり変わらな気持ち。

 

未だに止まり続けている自分の中の時間。

 

 

 

もっと強くなりなよ自分。

別に後ろ向いてるわけじゃないけど、

前に向かって歩いてない。

むしろ下りエスカレーターみたいに僕を過去に押し戻していく。

 

 

 

 

忘れたいわけじゃない。

 

 

 

大好きな部活のみんな

クラスの子たち

先輩

後輩

片思いの相手

 

 

 

 

 

でも、進まないと、このままじゃだめ。

 

中途半端。

何もできない。

 

もったいない今。

過去を回想するだけではもったいなすぎる。

 

 

 

 

 

あたらしくなれ自分。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱ無理そうだった。

 

 

 

 

うーん。大変。厳しいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい